Nuacht

作中で、俊介に直接『娘道成寺』の稽古をつけている時の万菊さんが「若い娘になりきってれば、あんな形、恥ずかしくてできやしないんだからね」というセリフがあるのですが、女性としてのたたずまいがそのまま踊りになっているというのは、異次元の世界だなと思いました ...
日々の繰り返しの中で、次第に閉塞(へいそく)感が高まってくる。学校でも職場でも、もとは自分から喜んで入った場所なのに、気づけば閉じ込められていると感じてしまう。だがそもそも我々は、日本語という閉域の中に生まれたのではないか。だからこ ...
本サイトに掲載されるサービスを通じて書籍等を購入された場合、売上の一部が朝日新聞社に還元される事があります。 朝日新聞社の関連サイト ...
南台湾の伝承や文学を縦横に織り込んだエッセイ『フォルモサ南方奇譚』(倉本知明著、春秋社)が刊行されました。国家レベルの政治史ではなく、忘れ去られた人物や文字資料に残らない物語に光を当てることで、知られざる台湾の一面に迫っています。華 ...
最も古いのは、デビューから数年後に「恋愛小説を」という依頼で執筆した「透明ポーラーベア」で、最新作は今年書き下ろした巻頭作品の「パズル」。時期も執筆の経緯もバラバラだが、『パズルと天気』という表題のもと、不思議と統一感が感じられる。伊坂さんは本書につ ...
(1)は音楽の著作権を管理する団体に勤める青年・橘樹(たちばな・いつき)が、身分を偽り大手音楽教室に潜入するスパイ小説。生徒としてレッスンを受けながら、演奏権侵害の証拠を集めよ――。後ろ暗い任務を課せられた主人公に、暗黒の世界で暮らす深海ザメ・ラブカ ...
設計事務所勤務や銭湯の番頭を経て、『銭湯図解』を出した。その後画家として独立。純喫茶に着目したのは「消えてほしくない建物を絵で残したい」との思いからだ。
富裕層から大衆まで、賭けを通して不確実な未来や運をコントロールしようと欲望する人々を描いた。賭博の歴史、複雑な胴元制度の解説、確率論も盛り込み、くじの売人や闘鶏のブリーダーなど周辺で血道を上げる者たちの生態も生々しい。
ブラックホールが見つかったと聞くと、天体現象に疎くとも新聞記事のぼやけた画像を熱心に観(み)入ってしまう。桜島大噴火で噴煙の中に雷が立った映像を見れば興奮するものだ。日ごろ安住する世界の裂け目がふと顕(あら)わになった時、誰しもが世 ...
「自分はダメ人間だ」「私には良いところがない」……毎日少しずつ自分を責めながら暮らしていませんか。『セルフケアの道具箱』などのヒット作で知られる伊藤絵美さん(公認心理師/臨床心理士)による『自分にやさしくする生き方』(ちくまプリマー新 ...
薬屋のひとりごと 〈16〉(日向夏/しのとうこ、ヒーロー文庫) 一次元の挿し木(松下龍之介、宝島社文庫) 青い壷(新装版)(有吉 佐和子、文春文庫) ハヤブサ消防団(池井戸潤、集英社文庫) 薬屋のひとりごと 〈16〉 - ...
デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』以来、数多くの小説やエッセイを発表している燃え殻さん。雑誌「週刊女性」での食をテーマにした連載をまとめた『この味もまたいつか恋しくなる』(主婦と生活社)が発売された。食に強いこだわりがあるというわけでも ...