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世界のエネルギーと情報の大動脈としてヨーロッパからインド洋を経て北東アジアに至る「ユーラシア・シーレーン(海上交通路)」は、冷戦終結後の30年間の技術革新と貿易構造の変化により劇的な変貌を遂げた。米中対立の焦点となった米国の海運・造船産業の衰退と中国の台頭とも絡み、「ユーラシア・シーレーン」は両国の戦略的思考に大きな影響を与えている。 本セミナーでは、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際関係大学院(S ...
高関税の影響は国全体に一律に及ぶわけではなく、地域や産業によって明暗を分けた。例えば米国中西部の農業地帯は、中国などからの報復措置が輸出の大幅減を招き、雇用と所得が深刻な打撃を受けた。一方、鉄鋼関連の地域には操業再開の動きが一時的にあったが、効果は局地的なものにとどまった。
本年2月、GX(グリーントランスフォーメーション)の中長期的な方向性を示す「GX2040ビジョン」、2030年度の温室効果ガス削減目標達成への道筋を具体化する「地球温暖化対策計画」、エネルギー政策の基本方針を定める「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定された。これらの計画は、エネルギー安全保障の確保と脱炭素社会の実現という二つの課題に同時に挑戦する日本の戦略を示すものである。
第2次トランプ政権の「予測不能な関税政策」が世界経済に新たな不確実性となっている。トランプ政権が繰り出す関税政策に対し、日本はどのように対応すべきなのだろうか。今回のBBLでは、国際経済学の第一人者であり『開発経済学入門』『途上国化する日本』『経済安全保障と半導体サプライチェーン』など数々の著書・編著で知られる早稲田大学政治経済学術院経済学研究科の戸堂康之教授(RIETIプログラムディレクター・フ ...
農協は集荷率を向上させるために、出来秋に払う仮渡し金をかつてない高水準で農家に提示している。これからすれば農協が卸売業者に販売する価格は高いままとなるので、小売価格も下がらない。農家は主食用のコメの生産を増加させるが、農協が低水準となっている在庫を積み増すと、市場での供給は増えず米価は下がらない。
世界の国際通商秩序が分断の危機と米国の保護主義の高まりに直面する中、EUとインド太平洋地域の協力の深化はこれまで以上に急務となっている。本ウェビナーでは、欧州を代表するシンクタンクであるブリューゲルとの共催により、特に日本を中心とするインド太平洋地域と欧州が、ルールに基づく強靱な貿易体制の再構築に向けどのような主導的役割を果たせるかを探る。特定の貿易活動にとどまらない包括的な協力のあり方に焦点を当 ...
リチャード・ボールドウィン著『The Great Trade Hack(世界貿易体制の大掛かりなハッキング)』が5月19日に発刊された。同著では、トランプ大統領の今回の大幅な関税引上げは、経済戦略ではなく「不満政治(grievance politics)」の産物であり、アメリカ経済を立て直す特効薬ではなく国際貿易体制を分断しかねない政治的なプラセボ(偽薬)であるとしている。さらに、ボールドウィン教 ...